黒皮で仕上げるこだわりの空間 ー店舗リノベーションー

今回ご紹介するのは、元麻布の裏路地にあるバーからご依頼頂いた改装工事

雰囲気のある隠れ家的なバーで、開店当初よりYOKOスタッフもお邪魔させていただいているとても素敵なお店です。

ご自身で内装もデザインされ空間づくりに強いこだわりを持つマスターからは、

・カウンター後ろのボトルラックに黒皮の鉄板を取り付け、四方枠と統一させたい。

・階段に滑り止めとしてシマ鋼板を取付けたい。

というご依頼を頂きました。

さすが設計にも詳しいマスター、ご依頼内容も専門的…

はじめての方には少し難しいので、わかりやすくご紹介していきます。

黒皮って?

黒皮(クロカワ)という言葉、ご存知でしょうか?

DIYなどされる方は「黒皮金物」という言葉に聞き覚えがあるかもしれません。

鉄板などの鋼材は、約1000℃もの高温状態で何度もローラーにかけられ薄く伸ばされて造られます。

この工法を熱間圧延(ねつかんあつえん)と言い、熱間圧延の後、冷えて鉄の表面が酸化することでできた黒い錆を「黒皮」と呼びます。

黒皮の特徴

  • 色の濃淡が一定では無い
  • 表面には凹凸があり手触りも均一では無い
  • よく触る場所は色が濃くなる
  • 錆が出てくるなどの経年変化がある

自然生成される黒皮は、着色塗装やメッキをかけられた鉄のように決まった品質が無い為、以前は構造材としての利用がほとんどでした。

しかし、その独特の重厚感や味わい深い雰囲気が少しずつ好まれるようになり、今では家具やインテリアの素材として人気を集めています。

今回は、ボトルラックの木棚に黒皮の鉄板を取り付けて、周りの枠と統一させる工事を行いました。

シマ鋼板とは?

シマ鋼板はチェッカープレートとも呼ばれます。

この模様、ビルの外階段やスロープ、排水溝の蓋などで使われているので見覚えのある方も多いのではないでしょうか?

先ほどの黒皮と同様に、熱間圧延加工をする際、互い違いのリブ(小さい突起)の型でプレスし、滑り止めをつけたものです。

なかなか室内で使われるのは珍しい素材ですが、今回はこのシマ鋼板を階段に被せるように取り付けていきます。

工事前の店内

こちらが工事前のボトル棚。このままでも十分素敵ですが、木棚がやや華奢な印象でしょうか。

こちらは工事前の階段。木の塗装の剥げと、立ち上がりの汚れが目立ちます。

こちらは工事中の写真。既存の木棚に被せるように黒皮バーを取り付けていきます。

工事完了

棚に黒皮を取り付けたことで重厚感が出て雰囲気が良くなりました。周りの枠とも馴染んでおり、間接照明を付けるとより一層素敵です。

続いては階段。

シマ鋼板を取り付けたことで滑り止めという機能はもちろん、ぐっと締まった印象になりました。 黒皮の武骨な風合いが感じられます。

いかがでしたでしょうか?

今回は、黒皮を使った改修工事でした。黒皮という鉄の持つ味わい深さが伝われば嬉しいです。

店舗ではもちろん、住宅にも使える黒皮。

少し取り入れるだけでも、お部屋のイメージをカッコ良く引き締めてくれる素材です。

お部屋に取り入れてみるのはいかがでしょうか?

私たちYOKOでは、部分的なリノベーションもお受けできますのでぜひご相談ください。

リノベーションの詳細はこちらからもどうぞ→〈空間づくり〉